サルコペニアとフレイルとは

サルコペニアは、加齢によって筋肉の量が減り筋力が衰え、身体機能が低くなることを言います。サルコペニアには、診断基準があります。現在、日本で推奨されているのは、AWGS2019に基づく診断です。筋肉の機能と、量、筋肉の力を測定することによって診断します。筋肉の力を判定するためには、握力を測定し、筋肉の機能は、歩行速度あるいは、椅子から立ち上がる動作で判定します。

筋肉の量は、BIA法あるいはDXA法によって測定します。両腕と両脚の筋肉量を求め、そこから骨格筋指数(SMI)を算出します。測定の結果、筋肉の力あるいは身体機能のどちらかが低下している場合にサルコペニア、両方なら重症サルコペニアと判定されます。高齢者が筋肉量を増やして身体機能を高めるには、筋肉に負荷をかける運動、たとえば、膝をついて腕立て伏せをするなどが効果的です。食事は、筋肉を作るのに必要なタンパク質やタンパク質の働きを助けるビタミンB6を含む食品をはじめとして、バランスの取れた食事をする必要があります。フレイルは、活動量の低下、歩く速度の低下、体重が減っている、通常より疲れやすい(易疲労性)のうち、3つ以上が当てはまる場合です。

息切れをしやすくなった、痩せてきたということがあるなら、フレイルの可能性があります。このまま何もしないと、身体機能障害になって介護が必要になってしまいます。フレイルになる前段階は、プレフレイル(前虚弱)というもので、フレイルを予防し健康を維持するには、歩いたりしっかりよく噛んで食べる、社会参加をして閉じこもらないようにすることが大切です。