高齢者が健康を維持することの重要性

日本人の平均寿命は延びてきており、人生100年時代とも言われています。その中で重要視され始めているのが、高齢者の健康寿命です。健康寿命は、医療機関からのサポートを受けることなく自立した生活ができる状態での生存期間のことです。平均寿命だけでなく、高齢者の健康を維持しこの健康寿命も伸ばしていくべきだという考えが一般的になっています。

高齢者が健康を維持し、元気な状態で長生きすることには、高齢者本人だけでなく国民全体に多くのメリットがあります。まず、保険問題の解決の糸口になります。少子高齢化によって年金の担い手が減り、保険のシステム崩壊がささやかれています。しかし年金を受け取る側の高齢者が健康でいて、働いてくれれば担い手の負担が減るのです。直接的な解決にはなりませんが、若い世代に経済的な余裕ができることは、根本的な解決の糸口となるでしょう。

歳を重ねても元気で働くことができれば、多くの業界で問題になっている人手不足の解消にもつながります。建設業や介護サービスなどの肉体労働はむずかしいかもしれませんが、接客業、営業などでは年齢に関係なく働くことが可能です。第二の人生を人手不足の解消に役立てもらうことで、社会全体の活性化につながるでしょう。働かなくても、元気な高齢者は地域にとって貴重な存在になります。仕事を引退したあと家に引き込まらず、地域のイベントやコミュニティーに参加してもらえば、地域全体の交流にも活気が生まれ、健全な街を作ることにつながります。